BPファシリテーターに求められる4つの力

  1. 安全で、安心できる、あたたかい場をつくる力
  2. 参加者どうし、参加者と機関などをつなぐ力
  3. 参加者の良い面や秘めた力などを引き出す力
  4. 目的が達成できるように促進する力

1. 場づくり: 安全で、安心できる、あたたかい場をつくる力

BPファシリテーターの役割のひとつは「場づくり」です。お母さんは赤ちゃんを連れて会場に来るだけでも大変なことです。赤ちゃんを連れて、また、上の子を「一時保育」に預けてまでも「参加したい」と思うお母さんたちに「安全で、安心できる、あたたかい場をつくること」がファシリテーターに求められます。
BPプログラムは参加者中心型のプログラムです。一方的な講義を聴く場ではありません。参加者どうし、様々な困りごとや関心ごとを話しあう場面が多くあります。BPファシリテータ―は、些細なことでも気軽に聞いたり話したりできる場を作ることがたいせつです。そのことが、BPプログラムの目的である「ピアレビューができる仲間づくり」につながります。
赤ちゃんがいることで注意すべき安全面の配慮も重要なことです。 しかし、何でも用意すればいいというものではありません。自分の赤ちゃんに必要なものを自分で用意できる「自立した親」を育てることもBPプログラムの基本的な考え方です。そのため、ファシリテーターや主催者が何でも用意することは、「自立した親」を育てることの妨げになり得ます。支援者の親切心が、依存的で未熟な親を育てることのないように注意したいものです。
不要な混乱や事故等を未然に防ぐため、参加者の動きや発言をイメージして、その場にあった環境づくり・場づくりをしっかりとすることが求められます。

2. つなぐ: 参加者どうし、参加者と機関などをつなぐ力

「ピアレビューができる仲間づくり」を大きな目標としているBPプログラムでのBPファシリテーターに求められる大きな役割のひとつは、参加者どうしをつなぐことです。と言っても、意識的に「あなたとあなた、仲良くなってね」というわけではありません。日々育児という共通の濃厚な体験を同じようにしている母親どうしが集まることもあって、すぐに以前からの知り合いのように仲よくなるケースがほとんどです。しかし、それだけではピアレビューができる仲間にはなれません。BPプログラムのアクティビィティ(学習活動)には、参加者どうしをつなぐ要素がたくさん組み込まれていますので、BPファシリテーターはそれぞれのアクティビィティの目的や進め方などを十分理解して、プログラムを進めることが求められます。
自然につながりを持てる参加者どうしであれば、見守っていることがたいせつです。不用意な介入は参加者の意欲低下につながります。しかし、つながりを持ちにくい参加者がいる場合は、他の参加者との共通点を一緒に探すなどして自然に話ができるような働きかけが必要です。ただし、介入は最小限にするようにしましょう。「ファシリテーターは黒子である」ことを忘れずに。
「つどいの広場」や「各種相談機関」につなぐこともファシリテーターの役割です。個別に専門機関で相談した方が良い課題を抱えている参加者には、適切な機関へつなぐ必要があります。そのあたりの判断力もファシリテーターの力量のひとつです。

3. 引き出す:参加者の良い面や秘めた力などを引き出す力

人間は複雑なもので、一人の人が人格的にも能力的にもいろいろな面を持っています。しかし、そのことを本人が気づいていないことがほとんどです。ファシリテーターの役割として、その人の良い面を引き出したり、本人が自分の良いところに気づく機会を提供する役割があります。
参加者は、プログラム導入部分や結びの部分で自分自身を知る機会を多く持ち、 主部で日頃のいろいろな体験を話し合います。そのことが、参加者自身、自分がしている育児を客観的に見つめなおす機会になります。他の参加者の育児と体験とを知ってもらうことで、その方法を自分に取り入れ育児のスキルアップにつなげてもらい、自分の体験が人の役に立つことも経験します。そのことが参加者の自信につながります。そして、いろいろな体験を知ることにより、自分にあった自分らしい育児の方法が自覚できるようになり、主体性をもった親として育っていきます。
ファシリテーターは、プログラムを進める中で、参加者が自分の良い面に気づき、主体性をもった親として育っていく機会を提供する役割が求められます。

4. 促進する:目的が達成できるように促進する力

企業などの会議で活躍するファシリテーターは、「組織の目標が達成できるように」という使命がありますが、BPファシリテーターは何かを教えるとか、参加者にはぜひこれだけは学んで帰って欲しい、ということは考えません。BPプログラムは「参加者には力がある」と全面的に信頼しているプログラムで、「何を学ぶか」は参加者にゆだねています。BPプログラムのセッション計画に盛り込まれたアクティビティを丁寧に進めていけば、「ピアレビューができる仲間づくり」と「少し先を見通した育児の基本知識の獲得」というBPプログラムの目標を参加者自身が達成できると信じています。 実際、従来の教室型の講座よりも、BPプログラムのような参加者中心型のプログラムの方が、参加者の学びが大きいことが証明されています。参加者には、環境さえ整えれば、自ら学び取るだけの力があるのです。
BPプログラムの構成は、「導入」、「主部1・2」、「結び」、そして「交流・質問タイム」と盛りだくさんです。BPファシリテーターは、次に何をどのように進行すべきか前後のアクティビィテーとのつながりなどをしっかり理解してひとつのまとまりあるプログラムとしてスムーズに進めることで、参加者が学ぶことを助けます。各アクティビィティを目的に沿って内容のあるものとして進行する力とともに、プログラムをスムーズに進める力もBPファシリテーターには求められます。
ファシリテーターは黒子でありながら、参加者全体をまとめて、リードしていく力(引っ張っていく力)が求められます。

 

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