医療機関の皆さまへ
私たちは、初めて赤ちゃんを育てているすべての母親にBPプログラムを届けたいと活動しています。そのため、医療機関、特に産科医療や小児医療にかかわる皆さまのご協力に大きな期待を寄せています。
一般企業において社会的責任(CRS:Corporate Social Responsibilityの略)が強く求められています。医療機関の活動はそのものが社会貢献という特色を備えていますが、近年従来の医療行為だけでは解決しない問題が増加しています。「子ども虐待が急増する中で安全に産ませるだけでいいのか」「虐待を受けた子どもの医療的治療だけでいいのか」と疑問を感じていらっしゃる医療従事者の方々も多いのではないでしょうか。医療機関関係者の皆さまにはぜひBPプログラムの普及にご協力いただければと思っています。
医療機関の社会貢献をサポートするBPプログラム
貴病院・クリニックで出産した母子のアフターケアを

そのような母親が産後早期に、出産した病院でBPプログラムを受けることができれば、それは大きな安心につながるにちがいありません。
BPプログラムは、児童・思春期を専門とする精神科医を初めとする専門職が中心となって開発した参加者中心型のプログラムなので、医療従事者の方にもご納得いただけるものと思います。
子ども虐待防止のために
虐待を受けたのではないかと疑われる子どもたちを診察する機会も多いと思います。その子どもたちを救うためには、従来の小児医療だけでは不十分だとお感じではないでしょうか。子どもへの虐待は、不安やストレスを抱えた母親が子どもと孤立した環境におかれてしまうことが原因のひとつです。その元を絶たなければいけません。母子一緒に参加できるBPプログラムは、外出という気分転換になると同時に、子育ての初期に共感しあえる気の合った友達を見つける機会となり、これから始まる長い子育て生活の中で、母親が独りで思いつめストレスを溜め込むような子育てのリスクを軽減します。貴病院・クリニックの診療圏において、育児をしているお母さん方のために、ぜひBPプログラムを主催し、開催していただきたいと願っています。
BPプログラムを開催するには
1) 主催者になる
BPプログラム開催に必要な経費(ファシリテーター費用、部屋代など)をご負担いただくことになります。2) 開催場所の準備
母子8組~最大20組が快適に過ごせるような広さの場所をご用意ください。3) BPファシリテーターの手配
BPプログラムを運営・実施するのはBPファシリテーターです。 BPファシリテーターがいない場合にはBPファシリテーター養成講座に受講生を派遣し、養成してください。4) BPプログラム開催告知と参加者募集の協力
すでにBPプログラムを実施している病院・クリニックでは、出産後の退院時や小児科通院時、予防接種の際などに、BPプログラムの案内チラシをお渡しし、参加者の募集をおこなっています。
BPプログラムを実施している病院
◆ 新潟市 やぎもと小児科医院
柳本利夫先生と奥さんの恭子さん(保健師)は、予防接種に来る母親に声をかけ、BPプログラムを定期的に実施しています。柳本先生は「生後2ヶ月で予防接種に来院する母親が増えた。来院の母親を見ると、特に子育てを始めたばかりの第1子の母親は子どもへの接し方にまだ不慣れさがあり、不安を抱えている場合が少なくない。また、他の親子と交流する機会も少ないように見える。」と言います。恭子さんは、育児をしている母親が寄り合える居場所づくりがかねてからの念願で、2008年にクリニックに親子支援室を併設しました。そこでBPプログラムを実施しています。
◆ 大阪府大阪市 JCHO大阪病院(旧大阪厚生年金病院)
佐野哲也小児科部長のご尽力で、JCHO大阪病院で出産した第1子の母親を対象に、2012年秋より年4回のペースでBPプログラムを開催しています。出産入院中や赤ちゃんの1ヶ月検診時に母親にBPプログラムを紹介したり、出産退院後にチラシを送付するなど積極的にBPプログラムへの参加をうながしています。病院の社会貢献の良い例といえます。
◆ 香川県高松市 西岡医院
西岡敦子先生の熱い思いで平成18年度に高松市から地域子育て支援センターを委託されました。病児保育室「レインボーキッズ」に支援センターが併設し、医療機関と子育て支援センターが一体となっている珍しい医院です。子育て中の親支援プログラムとしてNobody's Perfect(NP)プログラムを実施していましたが、現在はBPプログラムを取り入れ、定期的に開催しています。
【大阪市福島区】 JCHO大阪病院 小児科医師 原田大輔さん
【新潟市西区】 子育て応援隊249 保育士 徳田聡美さん
【石川県金沢市】 一社)石川県助産師会 まき助産院 助産師 川島真希さん